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2007年8月10日 |
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株式会社コムスンの問題に関する意見表明 |
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社団法人 東京社会福祉士会
会長 丸市 豊也 |
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社団法人東京社会福祉士会は、東京都民をはじめとする人々の福祉の向上を目指して活動する社会福祉士の専門職団体である。この使命に鑑み、今般の株式会社コムスンの介護保険事業における不正に端を発した一連の事態とそれを取りまく状況に対して、利用者の「利益の優先」「権利擁護」ならびに「社会正義」を価値とする社会福祉士として、ここに意見表明を行う。 |
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利用者の保護とサービス選択の自由の保障について |
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まず、第一に優先されるべきは利用者の生活の安心の確保である。利用者が路頭に迷うことがないように、コムスンは必要なサービス提供を継続する責任がある。 |
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もうひとつ忘れてはならないことは、サービス選択の自由の保障である。今後、コムスンの事業の譲渡が予定されているが、コムスンとの契約終了後にどのサービス事業所と契約するかは利用者が判断することである。コムスンは利用者に対して事前に丁寧な説明と情報提供を行い、利用者の自己決定できる環境を整える責任がある。 |
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利用者軽視の介護事業経営を排除すること |
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平成18年4月の介護保険法改正において、利用者の「尊厳を保持」するという倫理規定が法の目的(第1条)および事業者の責務(第74条の4など)として明記された。営利法人については特に倫理面での質の担保が必要であるが、事業所指定の事前審査においては倫理に関する要件が定められていない。こうした制度上の問題点が内包されたままでは、利用者軽視の事業運営の再発が容易に起こりうる。 |
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| ・ |
倫理面の質の担保をするために、例えば倫理綱領※ をもつ社会福祉士等の専門職を営利法人の役員に一定数置くなど、法の目的の実現に向けた何らかの方策が必要であると考える。 |
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過度の給付抑制にならないよう、サービスの必要性を十分考慮すること |
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コムスンの不正請求が発覚して以来、以前に増して給付適正化の名の下に過度の給付抑制が行なわれることを危惧している。特に、訪問介護(生活援助)については、同居家族がいるという理由だけでサービス提供を認めない傾向が一部の保険者や都道府県に見受けられる。「介護の社会化」を目指した介護保険制度の理念に則り、家族の介護負担(心身状況、就労状況、家族関係など)を十分に考慮して、必要な人が必要なサービスを利用できる制度にしなければならない。家族の過重な介護負担が、高齢者虐待の悲劇や施設入所の増大を招くということを改めて認識すべきである。 |
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適正な介護報酬の設定と就労環境の改善を |
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| ・ |
コムスンの人員配置の不正を契機として、介護分野における慢性的な人材不足問題に社会の関心が集まってきている。たび重なる介護報酬の切り下げや制度上要求される事務量の増大により、事業所の経営は非常に厳しくなっており、低賃金の非正規職員比率の増加と業務の重労働化を招いている。現場の実情を反映した根拠にもとづいて適正な介護報酬の設定が求められている。特に東京をはじめとする大都市圏の地区別単価については、地域別のデータを精査して設定する必要がある。 |
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社会福祉士(会)として |
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| ・ |
われわれ社会福祉士は様々な社会福祉・介護の現場に携わっているが、いかなる実践現場においても倫理綱領を尊重して、人々が安心して生活できる社会を実現するために、関係職種や市民とともに努力をしてゆく。われわれの立つ位置は、あくまで利用者の利益の尊重と権利擁護であり、会員をサポートする当会の役割として、現場における様々な課題やジレンマに対する専門職としての対処能力を向上させるべく、
研修事業や委員会活動等の取り組みを継続していく所存である。 |
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以上 |
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※ 「社会福祉士の倫理綱領」より |
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| 価値と原則 |
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1 |
(人間の尊厳) 社会福祉士は、すべての人間を、出自、人種、性別、年齢、身体的精神的状況、宗教的文化的背景、社会的地位、経済状況等の違いにかかわらず、かけがえのない存在として尊重する。 |
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2 |
(社会正義) 差別、貧困、抑圧、排除、暴力、環境破壊などの無い、自由、平等、共生に基づく社会正義の実現を目指す。 |
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3 |
(貢献)社会福祉士は、人間の尊厳の尊重と社会正義の実現に貢献する。 |
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4 |
(誠実) 社会福祉士は、本倫理綱領に対して常に誠実である。 |
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5 |
(専門的力量) 社会福祉士は、専門的力量を発揮し、その専門性を高める。 |
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| 倫理基準(抜粋) |
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1 )利用者に対する倫理責任 |
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(利用者の利益の最優先)社会福祉士は、業務の遂行に際して、利用者の利益を最優先に考える。 |
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(説明責任)社会福祉士は、利用者に必要な情報を適切な方法・わかりやすい表現を用いて提供し、利用者の意思を確認する。 |
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(利用者の自己決定の尊重)社会福祉士は、利用者の自己決定を尊重し、利用者がその権利を十分に理解し、活用していけるように援助する。 |
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2 )実践現場における倫理責任 |
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(実践現場と綱領の遵守)社会福祉士は、実践現場との間で倫理上のジレンマが生じるような場合、実践現場が本綱領の原則を尊重し、その基本精神を遵守するよう働きかける。 |
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3 )社会に対する倫理責任 |
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(社会への働きかけ)社会福祉士は、社会に見られる不正義の改善と利用者の問題解決のため、利用者や他の専門職等と連帯し、効果的な方法により社会に働きかける。 |
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4 )専門職としての倫理責任 |
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(信用失墜行為の禁止)社会福祉士は、その立場を利用した信用失墜行為を行わない。 |
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